藤原審爾の出身高校

藤原審爾 作家

藤原審爾卒業高校
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作家ランキング
663位 / 702人中 作家別偏差値ランキング
性別
男性
生年月日
1921年(大正10年)3月7日生まれ

藤原 審爾(ふじわら しんじ、1921年(大正10年)3月7日 - 1984年(昭和59年)12月20日)は、日本の小説家。純文学から中間小説、エンターテイメントまで幅広い作品で活躍し、「小説の名人」の異名を取った。初期の代表作『秋津温泉』や、『泥だらけの純情』『新宿警察』など、映画、ドラマ化された作品も数多い。

東京府本郷に生まれる。3歳で母と生別、6歳で父と死別し、父の郷里である岡山県備前市で祖母に育てられた。閑谷中学校を経て、青山学院高等商業部に進むが、肺結核のため中退。療養生活を続けながら雑誌社で編集を手伝う傍ら、外村繁に投書雑誌の選者をしていた縁で師事して創作活動を行い、同人誌『曙』を発行。1945年の岡山空襲で吉備津に疎開、戦後は倉敷市に移り、同人誌『文学祭』を発行。これに掲載した「煉獄の曲」が河盛好蔵に認められる。

1946年に外村繁の雑誌『素直』に「破倫」、また河盛の推薦で『新潮』に「永夜」、『新生』に「初花」を発表。この頃は骨董屋になろうとしていたが、翌年奥津温泉を舞台にした美しい文章の恋愛小説「秋津温泉」を発表し、文壇での評価を得て、1948年に上京して外村の家に下宿しながら本格的に作家活動に入る。新宿で焼け跡闇市派作家として酒と麻雀の放蕩無頼の生活をしつつ、話題作「魔子を待つ間」などを発表するが、肺結核が再発して入院。1950年に2度の大手術で肋骨8本を切除する。この1952年までの入院期期間中にも入院費の捻出と妻子への仕送りのために小説を書き続け、中間小説誌ブームに乗って社会派風俗小説の書き手となる。

1952年、「罪な女」「斧の定九郎」「白い百足虫」で第27回直木賞を受賞。この頃親友の戸石泰一のつながりで日ソ図書館の文学学校や中央労働学院の講師、また雑誌『文学の友』(旧『人民文学』)の編集委員も勤めた。占領軍による暴行、陵辱事件を扱った「裏切られた女達」を1955年に『小説公園』に連載(後に『みんなが見ている前で』として出版)。また『赤い殺意』『恐喝こそわが人生』などのサスペンス小説、犯罪小説を量産した。1962年、「殿様と口紅」で小説新潮賞受賞。

1970年頃から、『赤い標的』『薄毛の女』などのスパイ小説、『総長への道』『昭和水滸伝』などの仁侠ものを発表。1972年「狼よ、はなやかに翔べ」に始まる、『熊鷹-青空の美しき狩人』などの動物小説などを発表。1977年以降『死にたがる子』『落ちこぼれ家庭』『結婚の資格』など、家庭の問題をテーマとした、社会性の強い作品を手がける。『みんなが見ている前で』『不良外人白書』などのドキュメンタリー風作品、『ろくでなしはろくでなし』、短編集『拳銃の詩』などのハードボイルド小説、『さきに愛ありて』などの教養小説、恋愛小説、『三行人生』『わが国おんな三割安』などのユーモア小説、『天才投手』などのスポーツ小説、『武士道地獄』などの歴史・時代小説、『藤十郎狸武勇伝』『妖怪の人間狩り』などの幻想的な作品もある。「庭にひともと白木蓮」は山田洋次により『馬鹿まるだし』として映画化されて「馬鹿シリーズ」に続き、本作でのエピソードを積み重ねる手法は『男はつらいよ』シリーズにも踏襲された。『わが国おんな三割安』中の作品は、松竹の「喜劇・女シリーズ」として3作が映画化されている。

1950年代から「藤原学校」と呼ばれる勉強会を自宅で開き、三好京三、山田洋次、江國滋、色川武大、高橋治らの後進を育てた。

ライフワークとして『宮本武蔵』の執筆を進める中、1984年に癌で入院し、4ヶ月の入院生活の後に死去。娘の真理は女優藤真利子。

1947年に発表して、作家としての地位を得るきっかけとなるとともに、初期の代表作として挙げられる。戦時中の21歳頃から書き進めていて、1947年に前半を『人間別冊』に、後半を『別冊文藝春秋』に掲載。1948年、講談社の新鋭文学選書として刊行された。加筆したものを1949年に新潮社より刊行。1988年に集英社文庫刊。

作者自身にも重なる境遇の、両親のない17歳の少年が伯母に連れられて山奥の秋津の温泉宿を訪れ、3年後、その5年後、また8年後と繰り返し秋津を訪れながら、そこで出会った女性と、妻子を持つ身となっていく主人公の関わりを叙情的に描いている。井伏鱒二は「底抜けに詩情ゆたかな筆致」「戦後の混乱した世相と対蹠的で特に引きたった」と評している。舞台の秋津温泉は、岡山県の奥津温泉がモデルの架空の地名で、また藤原が伯母に連れられて湯治に訪れていた紀州の温泉もモデルの一つ。

1962年、松竹にて岡田茉莉子の企画・主演、吉田喜重監督で映画化された。

本作や「愛撫」、新宿の飲み屋の魔子を愛する経緯を描いた連作「魔子」シリーズなど私小説的な初期作品は、心理主義、文体と情感で読ませる作風と言われる。また昭和29年までについての自伝的作品として『愛の夜 孤独の夜』がある。

新宿にある架空の警察署「新宿警察」を舞台に、根来刑事を初めとする刑事たちの活躍を描く警察小説。エド・マクベインの87分署シリーズのように複数の刑事達の行動が並行して描かれるスタイルで、「日本の87分署」とも言われる。1975年に「新宿警察」としてテレビドラマ化された。執筆当初は実際には新宿の警察署は淀橋警察署という名前で、新宿警察署というのは実在しない架空の警察署だった。自身では「ある時会った所轄の刑事たちが〜燃えるような情熱をもっていることを知って、わたしはそれにうたれた」のを契機に書き始めたと述べている。

また『よるべなき男の仕事・殺し』 『女の性の精』『わが国おんな三割安』の舞台も「新宿署」の管轄で、シリーズ中の刑事が登場する。

ほか。作品の正確な書誌は作成できておらず、特に量産期に未単行本化の不明作品があると見られている。

若い頃の肺結核の後も、胆嚢の切除、心臓病、腎臓病、肝硬変、糖尿病など、数々の持病に悩まされた。

多彩な趣味も有名で、陶芸、釣り、ビリヤードなどの他、野球ではチーム「藤原」を結成して東京都代表として1969年長崎国体出場、建築設計では自宅の他に知人の屋敷や民芸館を設計、麻雀では色川武大からも「旦那芸としては、玄人に近いレベル」と評された。バイク小説『風と夢・オンザロード』連載中には自動二輪免許も取得した。尊敬する作家は広津和郎で、自宅にその書を飾っていた。

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